M&Aによる事業承継とは
M&A による事業承継は自社を買い取ってくれる企業を探して売却する方法で、経営権は買い手企業が引き継ぐ事になります。親族内承継や従業員承継と違い、買い手企業に吸収される形なので、これまでの経営理念や方針は一新されます。
事業承継全体で見ると件数は少ないですが近年は増加傾向にあり、2012年頃には中小企業の約31%がM&Aによる事業承継を実行しています。
M&Aによる事業承継が増加している要因は様々ですが、下の3つが主な要因として挙げられます。
①子供が事業承継しないケースの増加
近年ますます少子高齢化が進んでいることもあり、そもそも承継させる子供の数が減っているのです。また、「事業を継ぎたくない」と考える子供が増えている事も大きな要因です。
②従業員に適切な人材がいない
親族内承継が無理であるなら、自社の役員や従業員に引き継いでもらう従業員承継を考える経営者もいます。確かに従業員承継ならば経営理念や社風が受け継がれますし。周囲にも受け入れられやすいのですが、適任者がなかなか見つからないという問題があります。
経営者としての資質を持つ人を選ぶ必要がありますし、人望やコミュニケーション能力も備わっていなければなりません。
また、会社を引き継ぐ際は株式を譲渡するのでその対価を支払ってもらう必要がありますが、多額の現金を用意出来る従業員はめったにいないのが現実です。
これらの理由から、従業員に承継させようにも適任者がいないという理由で諦めざるを得ないケースが多いのです。
③M&Aによる事業承継の認知度の高まり
M&Aによる事業承継の広まりは、他の事業承継が難しくなったからだけではありません。
アメリカを始め海外では昔から盛んに行われており、中小企業では普通に行われていたのですが、日本ではまだまだ抵抗感を持たれる方法です。
メディアの影響もあるのでしょうが、敵対買収など悪いイメージが先行して、M&Aによる事業承継は「会社を身売りする」事と同じだと考える経営者が多いのです。
しかし、実際のM&Aはそれほど悪いものではなく、基本的に買い手と売り手が相互利益を得る事を目的としており、実際に新旧経営者の双方が満足出来る結果を得られる例は沢山あります。
最近はM&Aの実施事例が増えてきた事もあり、イメージも徐々に良くなっています。このように世間で認知されてきた事で、M&Aによる事業承継の件数が増えているのです。
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M&Aは、一昔前までは大企業が行うものという認識が強かったと思いますが、近年は後継者不足問題の解決や業績不振の改善、業務の統合を目的に中小企業様でも積極的に行われるようになりました。
しかし、実際には相談する相手がおらず話が遅々として進まないケースや、準備は整っても候補先企業が見つからないなどの理由で断念してしまうケースが多いようです。
社長様自身が自社の売却や事業の譲渡を行うケースもありますが、その場合大切な事業や資産を過小評価され、十分な評価がされない結果になってしまうことも少なくありません。
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