不動産業界の基礎知識
一般の方にとっての「不動産業界」といえば、土地や建物の販売などを連想されると思いますが、実際にはさまざまな業態を取っている会社が存在します。
商業施設、ビル、マンション、リゾート施設などの開発を手がける開発業者(デベロッパー)、注文住宅や建設住宅を仲介する不動産仲介業者、物件の売買・賃貸を仲介する不動産仲介業者、マンションや一戸建ての販売を行う住宅販売会社、不動産物件を管理する管理業者など、会社ごとにどの業態はさまざまです。
業界内のそれぞれの業態の役割は、まずハウスメーカーが建てた建物をデベロッパー、販売会社不動産会社が賃貸し、エンドユーザーの手に渡った不動産を管理会社が管理します。
業界全体の動向として、アベノミクスが始まったくらいから業績が伸び、業界規模や伸び率は全業種の中でも上位に位置しています。
日本経済が上向きになり、住宅・マンションに売上が伸びたこと、都市部におけるオフィス賃貸が好調なことが要因だとされています。
また、東京オリンピックの開催に伴い、都市部で大規模な再開発の計画が立ち上がったことで、2020年まで不動産業界の成長は続くと見込まれています。
不動産業界におけるM&Aの動向
宅地建物取引業者数は減少傾向にあり、特に経営者が高齢かつ後継者が不在の零細・中小企業の廃業が業者数減少に拍車をかけています。
また、業界全体の今後の見通しとして、前述のとおり東京オリンピックが開催される2020年までは需要が拡大する見通しですが、その後の動向はまったく読めないものになっています。
なかなか後継者が見つかりにくい業界であるため、現在の良好な市場環境が続いているうちに、より良い条件で事業譲渡したいという経営者が増えています。事業そのものの成長性で言えば、オリンピックまでに急速に拡大できる可能性は十分にあり、またアジアのし上も拡大傾向にあるため、事業譲受を考える企業も増えており、売手と買手双方がメリットを得やすい状況といえます。
不動産業界におけるM&A実行したときに得られるメリット
売り手が得られるメリット
・会社の存続
・大手の営業力や知名度を活用することで、財務基盤が安定する
・従業員の雇用を維持し、同時に従業員の家族の生活を守れる
・負債から開放され、ハッピーリタイヤが実現できる
・後継者問題から開放され、ハッピーリタイヤが実現できる
・単独では海外進出が困難でも、他社と連携することで実現できる可能性がある
・不採算部門、ノンコア部門を活かせる企業に譲渡することでまとまった資金を手に入れ、コア部門に資金を投入できる
買い手が得られるメリット
・新たなネットワークを構築できる
・顧客の囲い込み、販路の構築に費やすはずだった時間を節約できる
・人材・技術を獲得できる
・経営基盤の強化
・譲受先のブランドを活用できる
・成長スピードの飛躍的な向上
・原価低減、間接コスト低減などのメリット得られる
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M&Aは、一昔前までは大企業が行うものという認識が強かったと思いますが、近年は後継者不足問題の解決や業績不振の改善、業務の統合を目的に中小企業様でも積極的に行われるようになりました。
しかし、実際には相談する相手がおらず話が遅々として進まないケースや、準備は整っても候補先企業が見つからないなどの理由で断念してしまうケースが多いようです。
社長様自身が自社の売却や事業の譲渡を行うケースもありますが、その場合大切な事業や資産を過小評価され、十分な評価がされない結果になってしまうことも少なくありません。
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