木材業界の基礎知識
一口に木材業界と言っても業態はさまざまで、一般的には一般製材業・合板製材業・木材卸業に分類されます。いずれの業態にも共通しているのは、住宅着工件数によって需要が左右される、木造から鉄筋コンクリートマンションへの移行に伴い需要が減少している点が挙げられます。
どの業態に属する企業も海外市場への進出やリフォーム・産業資材などの成長分野への参入を図っていますが、市場が縮小傾向にあり苦戦を強いられています。
国土交通省が2015年の概算要求に「地域型住宅クリーン化事業」を盛り込みました。これは地域の木造住宅の生産体制を強化し、企業間の連携体制を強めて木造住宅の整備を支援するもので、木造需要を隆起する施策として期待が寄せられています。
木造業界におけるM&Aの動向
国内事業の受注件数は頭打ちであることに加え、東南アジアの安価な商品の輸入により状況は今後も厳しい見通しです。
M&Aを利用した対策として有効と思われるのが、クロスボーダーM&Aによりアジアを中心とした海外展開を行うか、国内の木材業者と経営統合し業務の合理化・効率化の推進などです。
特に中小零細企業においては、生き残りのためにもM&Aを利用した対策が必要になってきているといえます。
木材業界におけるM&A実行時に得られるメリット
売手が得られるメリット
・会社・事業を譲受先で存続させられる
・従業員の雇用とその家族の生活を守れる
・財務基盤の安定
・負債から開放され、ハッピーリタイヤが実現できる
・後継者問題から開放され、ハッピーリタイヤが実現できる
・単独では海外進出が困難でも、他社と連携することで実現できる可能性がある
・不採算部門、ノンコア部門を活かせる企業に譲渡することでまとまった資金を手に入れ、コア部門に資金を投入できる
買手が得られるメリット
新たなネットワークを構築できる
・顧客の囲い込み、販路の構築に費やすはずだった時間を節約できる
・人材・技術を獲得できる
・経営基盤の強化
・譲受先のブランドを活用できる
・成長スピードの飛躍的な向上
・原価低減、間接コスト低減などのメリット得られる
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M&Aは、一昔前までは大企業が行うものという認識が強かったと思いますが、近年は後継者不足問題の解決や業績不振の改善、業務の統合を目的に中小企業様でも積極的に行われるようになりました。
しかし、実際には相談する相手がおらず話が遅々として進まないケースや、準備は整っても候補先企業が見つからないなどの理由で断念してしまうケースが多いようです。
社長様自身が自社の売却や事業の譲渡を行うケースもありますが、その場合大切な事業や資産を過小評価され、十分な評価がされない結果になってしまうことも少なくありません。
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