ガス業界の基本知識
全国で原子力発電所の停止が進み火力発電の割合が増加した結界、火力発電の燃料であるガスの供給が増加し、ガス業界が好調を見せています。
平成29年に都市ガスの全面自由化が始まり、従来はエリアごとでガス会社があらかじめ決められていたものが、これからは一般消費者が自由にガス会社を選択できるようになりました。
平成28年の電気自由化の際には、ガス会社が電機業界に参入する動きがありましたが、今度は逆に電気会社がガス業界に参入することが予想されています。
従来はこの2つの業界では明確な住み分けがありましたが、今後は業界の垣根を超えた動きが見られるはずです。
ガス会社の抱えるリスク要因として挙げられるのが「暖冬」です。一般的に暖冬になると家庭用ガスの販売量が落ち込むため、ガス業界にとっては大きな痛手になります。
近年は地球温暖化の影響もあり、日本の冬は年々気温が上昇しています。今後もさらに暖冬が続くようであれば、ガス会社にとっては大きなリスク要因となります。
石油業界の基本知識
石油業界の業界規模は平成21年から25年にかけては増加傾向にありましたが、それ以降は減少傾向にあります。
平成22年の消防法改正で、設置から40年以上経過した地下タンクの改修が義務付けられたことにより、改修費用を工面できないガソリンスタンドが廃業し、ENEOSなど資金力のある企業が生き残ることで市場が淘汰されました。
現在の石油業界はENEOS(JXホールディングス)がシェアNO1となり、その後に出光興産、東燃ゼネラル石油が続きます。
近年の大きな動きとして挙げられるのが、平成26年のサウジアラビアがおこなった原油価格の大幅な引き下げです。それまで1バレルあたり90ドル代で推移していたものが40代前半まで下落しました。これ引き下げが石油業界に大きな影響を与えたうえ、国内需要の減少も重なり、石油業界各社の業績は大きく下降しています。
こうした中、国内市場の低迷を受けて、平成27年には出光興産と昭和シェル石油が経営統合を発表するなど、石油業界では大規模な再編の動きが活発化しています。
さらに、地球温暖化により国内の石油需要がますます減少する中、石油や石炭にかわる新たなエネルギー分野の拡大を各社が進めています。
JX日鉱日石エネルギーは過程で電気とお湯を作り出す「「エネファーム」や太陽光発電事業を推進し、出光興産は風力発電やバイオ燃料、地熱発電などの再生可能エネルギー事業を推し進めています。
平成27年には石油・電気・ガスなどを供給する事業者に対して、再生可能エネルギーや化石燃料の有効活用を促すエネルギー供給構造高度化法が制定されました。これを受けて、今後さらに化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトが進むとされ、すでに業界全体でさまざまな取り組みが始まっています。
ガス業界・石油業界のM&A動向
ガス業界、石油業界とも、国内需要の減少を重く見た経済産業省から設備の最適化や事業再編など早急な対策が必要とされた業界です。
また、2017年にエネルギー供給構造高度化法が制定され新たな判断基準が告示され、JX日鉱日石エネルギーなど対象7社は自社の「設備最適化の処置」と「事業再編の方法」を含む目標達成計画を経済産業省に提出しています。
このように、石油販売の大手各社は高度化法に則り、国内製油所の精製能力削減、統合運営のため、製油書の停止や統合子会社の設立を進めています。
2017年には出光興産と昭和シェルが経営統合するなど、M&Aによる業界再編の動きが活発化しています。
また、従来の石油燃料から再生可能エネルギーへの転換が進んでいるため、他のエネルギー関連企業の買収が行われる可能性も高くなっています。
ガス業界・石油業界におけるM&A実行時のメリット
売手が得られるメリット
・会社、事業が存続する
・従業員の雇用と家族の生活を守れる
・大手企業の知名度を活用できる
・負債を精算できる
・海外進出を果たせる
・不採算事業を譲渡することで得た資金をコア部門に投入できる
買手が得られるメリット
・新たなネットワークの構築
・生産拠点の確保と精算技術の向上
・利権の確保
・販路の獲得
・経営基盤の強化
・新たなエリア、海外への進出
・自社開発のためのコスト・時間削減
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しかし、実際には相談する相手がおらず話が遅々として進まないケースや、準備は整っても候補先企業が見つからないなどの理由で断念してしまうケースが多いようです。
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